菅沼 哲英
菅沼 哲英

旅行と写真が好きで、カメラを持って鉄道の旅に行くことも多い。「京三製作所のものづくりは、多くの人の暮らしを便利にできるものづくりです。目立たない製品も多いですが、電車や道路など自分の手掛けた仕事に日々触れることができるやりがいはとても大きいですよ」

子どもの頃からつくることが好きで、学生時代には、人の身近にあって役に立つものをつくりたいと思うようになりました。京三製作所は社会になくてはならない製品を手掛けているので、自分の想いを実現できる場所だと思い入社を決めました。

今の仕事は、道路交通関連製品の設計です。様々な製品がある中で、私は道路の状況を知るための感知器を担当しています。信号機の近くなど道路の上に設置されている装置で、車の交通量や渋滞の状況などを感知し、情報を得ることができます。こうした情報は例えば、渋滞しているから青信号を長くする、右折の矢印のタイミングを調整するなど、信号機の適切な制御のために用いられます。感知器には、超音波、赤外線、カメラなどいくつかの種類があるのですが、超音波は感知できる範囲は狭いけど精度が高い、カメラは正確さには欠けるけど広範囲を映せるなどそれぞれに特徴があり、道路の状況や知りたい情報に応じて適切な機器が使用されています。
これまでで特に印象に残っている仕事は、画像感知器をリニューアルした案件です。従来の画像感知器は、一つ前の画像と次の画像を比較して、動いているものを車として検知する“差分”の手法を用いていました。しかし、カメラの揺れによる誤った検知も多く、対策を求められていました。そこで、“差分”ではなく1枚の画像の中から車を判別して感知する手法へ変更しました。正面や斜めなど、あらゆる角度で車だと感知できるように、道路のサンプル映像を何度も撮って検証を重ね、何とか完成させることができました。

また画像感知器は、防水のために4隅をネジで留めた筐体に入っています。それを作業員が地上5〜10mの場所に設置し、蓋を開けてレンズのピントを合わせるのですが、高所で小さなネジを回すのは困難で、手を滑らせてネジを落としまうという声も挙がっていました。そこでネジではなく、ハンドルの上下だけで蓋を開閉でき、密閉製も高いパチン錠に変更しました。それにより、これまで56秒かかっていた開閉作業を、4秒に短縮させることに成功。作業のしやすさも重要な品質の一つなので、常に大切に考えています。
画像感知機にパチン錠を用いるアイデアを出したのは、普段は信号灯器を手掛けている技術者でした。交通機器事業部は、一つのフロアに収まるほどの人数ということもあり、担当している製品や部署間の垣根を越えて、何でも気軽に相談し合える雰囲気があります。

交通機器の製造は、安全や安定が第一。デジタルよりもアナログの方がノイズのない波形を取れるなど、昔からある基礎技術が信頼性を支えている側面があります。京三製作所には経験豊富な技術者が多いので「このことはこの人」と、頼りになる相談相手がいることは心強いです。また主担当として一つの製品を任されるので、製品のどこか一部ではなく、丸ごと全部を手掛けている実感が強く、そのぶん思い入れも深くなります。普段車で走っていて手掛けた装置の下をよく通るのですが、ちゃんと信号が変わって車がスムーズに流れているのを見ると嬉しくなります。

製品へのこだわり

POINT
POINT
性能と作業効率を高めた
車両用感知器。

車両感知器は、信号機の近くなど道路の上に設置されていて、車の交通量や渋滞の状況などを知るための機器です。青信号の長さや、切り変わるタイミングなど、信号機の適切な制御に欠かせません。リニューアルした最新型の機器は、カメラの揺れがあっても車を正確に感知でき、設置作業を大幅に効率化するなど性能を高めることができました。