技術職(信号事業)-1
技術職(信号事業)-1

福岡県出身で、ホークスの大ファン。休みの日は野球観戦をしたり、旅行に出掛けるのも好き。「小さい頃から乗り物が好きで、新幹線の運転手になりたいと思ったこともありました。今は電車の安全を支える装置を手掛け、日々やりがいを感じながら仕事をしています」

私は入社以来ずっと、鉄道信号に関する装置のなかでも最も安全が求められる、連動装置の設計に携わっています。列車は車と違い、ハンドルを切って方向転換することができません。そのため、例えば前の列車を追い越す時、まずは線路に設置された転てつ機を動かして前の列車を方向転換させ、転てつ機を真っ直ぐに戻してから、後ろの列車を通過させます。この一連の動きを制御するのが連動装置。列車を通過させる際に「進んでいい」という指示を信号で出しますが、前後を走る列車の状況など、様々な条件が全てOKになった時に初めて「進んでいい」という指示になります。この条件はリレースイッチで構成され、その数は数十万点に及ぶことも。そのなかに1条件でも間違いがあれば、大事故に繋がる可能性が出てきます。多くの人の安全を守るために、99.999点でもだめで、常に100点満点が求められる仕事です。

連動装置の設計は、駅ひとつひとつの構成を示す連動図表という図面を見ながらパズルのようにリレー接点を組み上げていきます。安全を追求し、あらゆる状況を想定しながら設計するのは簡単ではありませんが、非常に大きなやりがいと面白さがあり、私にとって天職だと思っています。
現在、私は管理職として、メンバーのマネジメントや進行しているプロジェクトの管理、顧客対応など幅広い仕事をしています。マネジメントにおいて最も大切にしているのは、部署のみんなが「設計していて楽しい」と思えること。もちろん上手くいかないこともありますが「どうして想定しない動きになったのだろう」とか「こうしたらうまくいくんじゃないか」など、自分なりにあれこれ考え、試行錯誤するものづくりの面白さを味わって欲しいと考えています。そのために、メンバーからの相談や報告を待つのではなく、こちらから積極的にコミュニケーションを取ることを大切にしています。課題を一緒に引き出し、考え、解決していけるように、メンバーたちから「自分はこう思う、だから一緒に考えてください!」と言いやすい組織でありたいと思っています。

この仕事において最も嬉しい瞬間は、自分が設計した装置が使用開始される朝、お客様を乗せて列車が走って行くのを目の前で見た時。「オレってすごい!」と自分で自分を褒めたくなるほどです。今はメンバーの手掛けた現場を一緒に見る機会もありますが、本当に嬉しくて、私の方が喜んじゃうくらいです。
連動装置に限らず、インフラ設備を扱う京三製作所では、一つの間違いが多くの人に迷惑をかけてしまう可能性があります。そのため、設計、製造、検査などあらゆるセクションの人たちが、常に細部にまでこだわったものづくりをしています。私が設計において大切にしていて、メンバーにも伝えていることが、常に自分自身の100点を目指すこと。経験やスキルには差があるので、客観的に見たら100点ではないかもしれませんが、自分なりに調べたり、先輩や上司に相談してブラッシュアップするなど全力を尽くすことが大切。「どうせ先輩が見てくれるから、これくらいでいいか」という姿勢では、品質や安全性の低下に繋がりますし、自分自身も成長できません。

京三製作所で扱う技術は、本屋さんに並ぶ参考書には載っていない、独自性が高いものが多いです。みんな入社してから学び、身につけています。だから研修も充実していますし、一人ひとりの教える力、伝える力が強い会社です。やる気さえあれば、ものづくりへの意識を高め、成長していける環境があります。私自身ももっと成長して、新たな挑戦をしていきたいです。

製品へのこだわり

POINT
POINT

たくさんの人の安全を守るために、正常に動くことが当たり前の連動装置。その設計はまさに「縁の下の力持ち」と言える仕事です。安全を追求した設計をしていて、気づけば何時間も経っていることも。それほど面白く、夢中になれる仕事。これまでいくつもの連動装置を設計してきましたが、その全てに思い出が詰まっています。