技術職(研究開発部門)
技術職(研究開発部門)

音楽が好きでバンドを組んでおり、ギターを担当。学生の頃はオリジナル曲を演奏し、作曲もしていた。「京三製作所の好きなところは、人間味があって、いい意味で体制が整い過ぎていないところ。個人の意見が通りやすく、ひとりひとりがやりたいことにチャレンジできる会社だと思います」

学生の時は、工場などの設備に誤作動があっても、使用者に危害を加えないよう安全に制御するためのコントローラに関する研究をしていました。その経験から、ただ機械を動かすだけでなく、安全性を実現する仕組みを入れたものづくりの面白さを知りました。企業との共同研究もしていて、そのなかに京三製作所もあったことが、就職先として興味を持ったきっかけです。鉄道関連の装置を中心に手掛けているので、最高レベルの安全性を求められる仕事ができると思い、入社を決めました。

現在所属している研究開発部の役割は、会社の中長期的な成長を視野に入れた市場・新技術の調査や基礎研究、また製品化に向けた試作開発などを行うこと。そのなかで私は、新規事業の創出や既存製品のグレードアップに繋げるための基礎研究をしています。お客様からのオーダーに応えるものづくりとは違い、何を研究開発するかということから自分たちで考え、進めていく仕事。今後ニーズが見込めそうなもの、お客様の要望はあるけど今の技術では実現できていないものなど、展示会やセミナーに参加して情報収集もしながら、取り組むべきテーマを決めていきます。
自分が研究開発したいことを提案できるので、それが採用されれば、手法や進め方も含めて自由に考えて試していける。やりたいことに主体的に取り組めることが研究開発の醍醐味です。その一方で、自分が思いつかなければ前に進まないですし、なかなか成果が見えづらいという一面も。モチベーションの維持が難しいところもありますが、それ以上に自分の考えを追求していけるやりがいは大きく、チャレンジ精神のある人にはとても面白い仕事だと思います。

仕事をしていて最も嬉しい瞬間は、研究開発を進めるなかで出てくる課題に対して、解決策をひらめいた時。「こうすれば上手くいく」と思えるアイデアが湧いてくる時があって、それはお風呂のなかとか、仕事中ではないことも多いです。私は趣味で音楽をやっているのですが、作曲に近いところもあります。研究開発には柔軟な発想が不可欠。一人で没頭していると考えが偏ってしまうので、日頃から職場のメンバーとコミュニケーションを取ることを意識しています。かしこまった打ち合わせではなく、リラックスしながら雑談するくらいの方がいい刺激になるので、社内にあるカフェスペースをよく利用しています。
京三製作所は、安全第一の製品を扱う会社。これまで積み重ねてきた安全性を確保できる技術を重視し、堅実な開発をするという特徴があります。そのため、新しい技術を導入するハードルは非常に高く、検証には長い時間がかかります。研究開発としては困難な環境とも言えますが、だからこそ挑む価値とやりがいがありますし、高い壁を越えようと努力することで技術のレベルも高まると思います。現在私が進めている研究開発も、結果が出るまでもう少し時間がかりそうです。しかし自分の頑張りによって、鉄道の安全性向上や人々の便利な暮らしに貢献できる可能性があり、実現できたときの達成感はとても大きいだろうと思います。

少しでも早く成果を出すために、新しい情報へのアンテナを常に張っておくことを大切にしています。それは部署のメンバーたちも同じで、事故のニュースがあった時など、同様の事故を防ぐために自分たちの技術でできることはないかと話すこともあります。また、何か新しい技術や仕組みを発見した時は、当社の製品とは関係の薄い分野であったとしても、見方を変えれば活用できるのではないかと想像することを心掛けています。

製品へのこだわり

POINT
POINT

これまでで印象に残っている仕事に、海外展開に向けた鉄道信号保安装置向けCPUボードの開発があります。研究開発とは少し異なりますが、海外の安全性に関する国際規格の要望を満たすために、仕組みを新しくしました。国内・海外どちらでも対応できる仕様にするため苦労しましたが、検証を重ねた末に第三者認定機関に認められた時は、非常に大きな達成感がありました。