技術職(交通機器事業)
技術職(交通機器事業)

趣味は旅行と、写真を撮ること。桜や紅葉の時期など、景色が美しいときに旅行に出掛け、訪れた先で写真を撮るのが楽しい。「私たちが手掛けているのは、たくさんの人の安全な暮らしを支える製品。常に責任感のある仕事が求められ、だからこそやりがいも大きいです」

中学生の時、技術の授業でロボットをつくったのが面白くて、ものづくりに興味を持ちました。また、生まれ育った愛知県は、工業出荷額が全国一位で、ものづくりに対して熱意のある地域。大学は工学研究科に進み、将来は技術の力で人々の生活を支え、世の中の役に立つ仕事をしたいと思うようになりました。就職活動で色々な企業を調べるなかで京三製作所を知ったのですが、鉄道や道路交通システムを手掛けていて、まさに私がやりたかった仕事と一致。世界初の製品も生み出していて、この会社でものづくりができたら面白そうだと思いました。

私は入社以来ずっと、道路の信号機に携わっています。信号機と言うと、青・黄・赤の信号が点灯する信号灯器を思い浮かべる方が多いと思いますが、私が担当しているのは、それを制御するための交通信号制御機。信号灯器と同じ柱などに取り付けられ、信号が変わるタイミングや点灯時間をコントロールすることで、安全で円滑な交通を守る装置です。また、音声アナウンスや「ピヨピヨ、カッコー」といった音が出る装置の設計もしています。
交通信号制御機の設計において、何より求められるのは安全性です。自動車のドライバーや歩行者から見て、どんな場合でも危険な信号表示にならないようにしなければなりません。万が一、交通信号制御機に異常が発生した場合でも、交差点通過時に注意や一旦停止が必要となる黄点滅または赤点滅表示とするなど、危険な信号表示をしない設計になっています。安全を担う責任感と緊張感が常にあり、だからこそやりがいも大きい仕事です。

安全性を確保したうえで、交差点での赤信号による待ち時間をなるべく短くして、スムーズに通行できるようにすることも重要です。赤信号や青信号の点灯時間や切り替わるタイミングは、交差点の形状や時間帯で変化する交通状況により変わってきます。これを自動的に最適化して待ち時間を最小化する自律分散制御がありますが、動作させるために必要な設定や調整が多岐に渡り、経験と専門知識も必要とするため、熟練の技が求められます。そこで現在力を入れているのが、AIによって設定や調整の自動化を行い、経験が浅い人でも短時間で動作させられるようにすること。熟練者から設定や調整のノウハウをヒアリングし、設計に活かしています。これにより交差点の待ち時間を短縮できるだけでなく、作業効率の向上にも繋がります。
交通信号制御機を安全に動かすためには、車両を検知するためのセンサや、交通管制センターと通信するための伝送装置など、様々な装置と連携する必要があります。専門以外のことなど、仕事をするなかでわからないことも出てきますが、年齢や部署に関係なく誰にでも相談しやすいのが京三製作所のいいところ。一つの製品を長く担当していて知識が豊富な先輩も多く、最新の技術から古い製品のことまで、話を聞くことができます。また、長年お付き合いがあるお客様との信頼関係を大切にしているからこそ、要望を深く聞くことができますし、その期待に応えようとすることで製品の質も高まっていると思います。

最近はフレックスタイム制度や在宅勤務によって、柔軟な働き方ができるようになりました。私は開発中の製品の動作を確認するときなど、気軽に周りの人に相談したいため、出勤することも多いですが、一人で作業に集中したいときは、在宅勤務にしています。このように仕事の内容や、それぞれのライフスタイルに合った働き方ができる環境が良いと思います。

製品へのこだわり

POINT
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交通信号制御機だけでなく、どの装置も、安全第一の設計が求められます。「ピヨ、ピヨピヨ」「カッコー、カカッコー」と音が鳴る歩行者用音響案内装置では、視覚が不自由な方も進行方向がわかるように、横断路の両端で向かい合う2つの音響案内装置(スピーカー)から音を発するタイミングを調整することが大切。また、その他にも再生速度を変化させてスムーズな横断を促すなどの各県固有の様々な要求にも対応しています。